医師の転職・退職理由としては、年代によっても傾向が異なっています。20~30代の若手ですと、「資格取得のため」あるいは「経験を積みたい」という理由や、「業務がしんどすぎて、負荷を軽減したい」という理由などが比較的多いと言われています。
一方で、40代以降になってくると、「当直がしんどくなってきて…」と、業務内容の変更を求める方も増え、あとは管理職となってきて、「経営陣との考えの相違があって」「人間関係に不満を感じて」という方が多くなってくるようです。
「資格取得のため」あるいは「経験を積みたい」という理由は、前向きなものですのでこの点は問題ないと思いますが、その他の理由は「現在の職場への不満」ということになってしまいます。

ただ、それでもやはり「本音と建前」を上手く使い分けて、採用面接に臨む必要があるわけです。

でも触れておりますが、転職・退職理由で現在の職場への不平・不満を述べるのはできるだけ避けるべきだと言われております。
「給料に不満」「もう残業をしたくない」「当直やオンコールがイヤ」「上司が口うるさくて不満」…など、本音となる部分はあるでしょうけども、そちらはグッとこらえて「次の職場でやりたいことがある、実現したいことがある」といった、前向きな理由を伝えることが望ましいです。
基本的には、「今まで身につけた知識・経験を、新たな職場・業務で活用していきたい」といった、仕事に対する前向きな姿勢を示すと好印象となると思います。
ですので、次のようなステップで考えると、転職・退職理由は構成しやすいと思います。
・まずは応募している病院には、どのような特色があるかを調べる。
・入職したとして、自分としてはどのような仕事を担いたいと思っているのかを確認する。
・それが今の職場では実現できないため転職を考えている。
というような内容となると思います。

たとえば、本音としては「当直やオンコール、時間外呼び出しのないクリニックの外来診療を行う求人に応募したい」ということであっても、面接では「将来的には開業を考えており、外来診療でより多くの患者さんの診療を行って研鑽を積みたいと考えていますが、現在の職場では担当するコマ数も限られています。そのため、貴院へ入職させていただきたいと考えました」と説明するといったことでしょうか。